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クライアントインタビュー更新 – エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社

BLOG

2025/04/14

「これからの働き方」を、ともに考え、デザインする。経営課題解決を訴えて生まれた、コミュニケーションが主役のオフィス。



情報通信システムやソフトウェアにかかわる企画・開発・運用等の事業で、日本の通信インフラを支えてきたNTTコムウェア株式会社様。2021年に行われたフロアリニューアルでは、フリーアドレス化を軸とするオフィス改革を実施し、以前にも増して活発なコミュニケーションを図れる職場を実現しました。リニューアルの一翼を担ったのが、ネットワーククラウド事業本部に属する稲葉さん。世の中がコロナ禍の混乱にあり、会社も事業継続に注力していた中、「これからの働き方をつくるオフィスが必要だ」と粘り強く訴え続け、1年をかけて会社の了承を得たのだそうです。関係メンバーの発案から、竣工後4年を経た現在の会社の変化まで、詳しくお話をお聞きしました。

コロナ禍による経営課題を抱えた時期。それでも「必要」と判断された、オフィスへの大規模投資。

――最初に、御社のネットワーククラウド事業本部のフロアを全面リニューアルするに至った背景を教えてください。

直接のきっかけはコロナ禍になります。リモートワークに一気にシフトし、出社制限もかかる中で、オフィスに来る人が大変少なくなった時期がありました。あの時に、「こういう時こそオフィスでのコミュニケーションのあり方を見直すべきだ」と思ったんです。とはいえ最初はリニューアルと言っても「整理整頓されたオフィスでコミュニケーションが円滑になるよう、オフィスをちょっと綺麗にする」程度のコストや規模感しか想定していませんでした。しかしどうもコロナ禍は長引きそうでしたし、リモートの流れも止まりそうになかった。であれば、時代の流れに真剣に向き合い、これまで見慣れた景色に風穴を開ける気持ちでフリーアドレス化まで一気にやり切ってしまった方がいいと思い、私を含む3人で社長に直訴しにいったんです(笑)

――リニューアル前のオフィス環境はどのようなものでしたか?

以前のオフィスには特にコンセプトを設けておらず、シンプルに机と椅子がフロアに並んでいるオフィスでした。コロナ禍が始まってからはそこで各自ディスタンスをとりながら、慣れないオンライン会議に勤しんでいましたね。イヤホン利用がまだ徹底しておらず、どのパソコンからも常に大音量でやりとりが漏れ出て、個人的にはその混沌とした状況がどうにも耐え難かったです(苦笑)。このままではまずいと思っていました。

――改革の項目はいくつもある中、フリーアドレス化を重視した理由を教えてください。

実は私、前職のグループ会社でフリーアドレス化を一度経験しているんです。当時もその会社が抱える経営課題のソリューションとして、働き方の抜本的な改革を進めていました。あの時フリーアドレス化も含めてオフィス環境に大きくテコ入れを行ったことで、コミュニケーションや業務効率を改善できた成功体験が今回に強く影響していると思います。ただいかんせん、今の会社に取り入れようにも、当時は社内のどの部署でもフリーアドレス化を行った実績がなかったんです。過去にフリーアドレス化の話が持ち上がった際には、「取り入れたとして、本当にみんなスムーズに仕事ができるんだろうか?」という不安を払拭する
材料を揃えられず、その時は実行に至らなかったという話も聞いていました。今回は、コロナ禍を背景に変わっていく働き方と同様に、オフィスが提供していく価値や形も変わらなければならないという思いをもって有志たちで提案にいきました。

――社長や経営陣に、1年かけて必要性を伝えつづけたと聞きました。どんなことを中心にお話しされたのでしょうか。

私たちの訴えの中心は「フリーアドレス化をはじめとしたオフィスリニューアルで、これからの働き方を取り入れていきたい。それが、社員のコミュニケーションの取りやすさになり、働きやすさの改善につながり、ひいては会社の経営課題の改善にもつながると思っています」というものでした。ただ、そこまでの本質的改革を行うには相当の予算が必要だと見込んでいました。コロナ禍での経営課題の直接的な解決に注力しているところ、やや間接的なソリューションとも言えるオフィスへの投資判断が難しいのは私もわかっていました。それでも私たちは発案した時の思いを信じて投資の必要性を訴え続け、最終的には経営陣も「必要」との判断をしてくれたのだと思います。「いいよ」と言われた瞬間は、提案に行った3人が3人とも「え、今なんとおっしゃいました?」とキョトンとしてしまいました(笑)。提案を受け入れていただけたことに、改めて感謝しています。

主体はあくまで、ここで働く自分たち。WSIの徹底したサポートで、「実現したい」を叶えていく。

――リニューアルのパートナーをWSIに決めた理由を教えてください。

社内提案に並行して、デザインやコスト感を具体化すべくコンペを進めていたんです。その1社がWSIでした。WSIにお声がけした理由は、あの時既に本社1階の「ParkLab.」*ができて話題になっており、それを手掛けたのがWSIとSteelcaseのタッグだったのを知っていたからです。

*Park(公園)とLaboratory(実験室)を合体させた造語で、人が集って交流し、さまざまなビジネスを創造することを目指しているオープンスペース。入口にハイテーブルや椅子を設置することで、ふとした出会いからの立ち話、待ち合わせを可能にしている。
各社素晴らしいデザインを出してくださったのですが、WSIに決めた一つの要素に、担当の方が「主体はあくまでもNTTコムウェアの皆様で、我々は皆様がやりたいことをサポートしながら徹底的にバックアップしていく」と熱意を持って語られていたことがあります。
パートナー企業との関係性の結び方には好みも相性もありますし、「デザインも全部お任せできる方が楽でいい」と思う会社も当然あるでしょうが、私たちとしてはあの言葉で「一緒につくっていく」イメージが湧き、楽しそうだなと思ったんですよね。

「偶発的な出会い」が起こる、個と個がつながりあうオフィス。

――WSIが提案したデザインを見て、どんな印象を受けましたか?

シンプルでありながらも、個と個がつながりあって機能性を高めている、そんな印象を受けましたね。デザインも空間づくりも、ひとつひとつ意味がとてもよく考えられているのが伝わってきました。私たちはコーポレートメッセージに「心をつなぐ、未来をつくる」を掲げており、今回のリニューアルでも「これからのコミュニケーションをどうつくるか」が一つのキーワードでしたから、つながりを感じさせるデザインとマッチしていたと思います。

――「これからのコミュニケーション」をデザインに落とし込む上で、大切にしたプロセスはありますか。

幹部も含め20〜30人が参加して、ワークショップを行ったんです。そこでオフィスでのコミュニケーションについて議論する機会を持ちました。そもそも私たちのオフィスには営業系、開発系、スタッフ系の3職種が入っていて、それぞれにコミュニケーションの取り方や仕事の仕方が全く違います。まずは各職種が自分たちのコミュニケーションを認識した上で、どのようにフリーアドレスの中でコミュニケーションをとっていけばいいのかを議論しながら、具体的なレイアウトのつくり込みや配分を行っていきました。

――ワークショップの議論の中で、印象に残っている言葉や出来事はありますか?

WSIの担当の方から「偶発的な出会い」というキーワードを出していただいたことです。確かに全員が毎日出社していた時代は、廊下でたまたま会った誰かと「お、ちょうどよかった!」なんて会話が始まることがよくあったんですよね。リモートワークを取り入れたハイブリッドな働き方が当たり前になると、そうした機会はどうしても減るので、たまの出社でもそれを補えるよう「偶発的な出会い」をデザインの側から仕掛けたらどうかとご提案をいただいたんです。そこは私たちも非常に大事なポイントだと思ったため、積極的に取り入れていくことにしました。たとえば通路と通路の交差点に、敢えて突然ハイチェアやテーブルを置いてあるのですが、あれは社員同士がアポイントなしに気軽に話をする機会を生み出すためです。実際に狙い通りの光景が生まれており、WSIのご提案とアイデアにはとても感謝しています。

エントランスとフロアネームはこだわりを詰め込み、楽しく。

――NTTコムウェア株式会社様の側から「是非ここにこだわりたい」と推し進めた部分はありますか?

担当者として私がこだわったのはエントランスです。従前のオフィスは入ってすぐに執務スペースがあり、お客さまの座れる場所がなく、真っ直ぐ会議室に進んでいただくほかなかったんです。これからのオフィスでは、社員同士のみならず社外の方々とのコミュニケーションもより大切にしていきたかったため、まずはお客さまをきちんとお迎えし、そこで交流できるようにとエントランススペースを設けました。もう一つ、プロジェクトの終盤になってメンバーから「フロアネームがほしい」と持ち上がったものですから、急遽WSIに対応していただいたんです。最後の最後ではありましたが、オフィスのコンセプトを象徴する大切な部分に納得するまでこだわれたのは、とても良かったと思っております。

――フロアネームはどのようにつくっていったのでしょうか。

まず、NTTグループ全体のテーマである「つながる」から発想した名前を複数案出してもらい、私たちはその中から「TUMUGU」(=紡ぐ)を選びました。このネーミングには、人と人はもちろん、開発母体として技術ともつながりながら何かを生み出していくイメージが込められています。さらにWSIにはネームのサインデザインまで手がけていただきました。スッキリとしていて、なおかつ可愛いデザインの仕上がりにはとても満足していますし、何よりみんなフロアネームづくりの工程自体をすごく楽しんでいましたね。フロア入口に設置したサインもお気に入りです。

働く人と課題に合わせてオフィスは日々進化を続ける。

――リニューアルしたオフィスへの社内の反応はいかがでしたか?

「いいね!」という出来上がりに満足する言葉をたくさんもらいました。リニューアルに関わった人間としては、そうした言葉や社員たちの楽しげな姿に何よりの達成感を得ています。また、今では営業系も開発系もスタッフ系も関係なく、みんながフリーアドレスで働いています。お気に入りの席がある社員もいれば、中には一日に3回4回と席を移動している社員も。オフィスコンセプトを実現するためのデザインが社員の中に浸透していっていることをしっかりと感じています。

――今までになかったようなオフィス空間の使い方も生まれていますか?

エントランスにディスプレイを4つ設置したことで、それらを使ったキックオフイベントなどのイベントを頻繁に行うようになりました。またエントランスにはNTTグループが国内外のパートナーと実現に向けて取り組んでいるIOWNをご体感いただける装置を置き、お客さまにお越しいただいてショールームのようにも使っています。

――今後、このオフィスにどんな展望をお持ちですか。

リニューアルから4年経ち、オフィスの使い方には社員のみんなもだいぶ慣れてくれました。今後も「コミュニケーションやつながりを大事にする」というコンセプトは大事に守りつつ、時代に合わせて変えるべきところは柔軟に変える。オフィスづくりに関わった立場としては、そんなメッセージを発信し続けていきたいと思っています。今までがフェーズ1、ここからがフェーズ2だと思っております。


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